TOP > 歴史・地理 > 「陽明寺地蔵尊」 ≪ 「陽明寺地蔵尊の由来」 ≫
 むかし、この土地にごんざえもんというおじいさんがおりました。おじいさんは、ある日のこと、ここから約十キロ西にある、小さな部落に行きました。そのときその部落では、大きな山火事があり、村の人達は大変騒いでおりました。おじいさん、これは大変なことと思っておりましたが、ふとその道ばたにお地蔵様のあることに気づきました。そのお地蔵様は石の大きい1メートル以上もあるお地蔵様でした。おじいさんは、お地蔵様に言葉をかけました。「地蔵さん、わしと行くか」と言いました。その時お地蔵様は、だまっておじいさんの背中に、軽々しくおぶさりました。
 おじいさんはそのお地蔵様をおぶって「それでは帰ることにしようか」と言い、遠い坂道をとぼとぼとわが家に帰りました。そしておじいさんは、このお地蔵様をどこにおまつりしようかと思い、考えた末、お寺さんの門前におまつりしました。
お寺さんへは、毎日子どもが大勢遊びに行き遊んでおりました。するとお地蔵様は、大変子どもが好きで、子どもさんの言うことはなんでもよく聞いてやりました。子どもは大変喜んで、毎日、毎日お地蔵様のところへ遊びに行きました。
 ある日のこと子どもは突然歯が痛くなりました。子どもはお地蔵様に私は急にここが痛いのですと言い、お地蔵様の歯のところを小さな石でたたきました。またお腹の痛い子どもはお地蔵様のお腹のところを、私はここが痛いですと言い、小さな石でたたきました。
 そのため石のお地蔵様は子どもがたたいたところが、だんだんくぼんでなくなりました。それでもお地蔵様はなんとも言わずに、子どもとよく遊んでやっておりました。
今はそのお地蔵様もお寺さんの境内に村人達によりお堂が立てられておまつりされていて、毎年お盆の十六日におまつり法要をしております。

<陽明寺に向かって左側にあり>
引用:『ふる里わら科八社 第一集 』(大川寿大学講座受講生一同.静岡市中央公民館大川分館.昭和55年)