山里の夏を彩る風物詩

奥藁科・大川地区の夏を彩るのは、毎年13日のお盆に開催される「大川夏祭り」です。1990年より大川地区全体の行事として開催されるようになったこのお祭りには、地元住民ばかりか、里帰りで帰省した家族や親族も集まって、夜店が立ち並ぶ坂ノ上公民館前の会場は、とても賑やかです。 施餓鬼供養に始まり、大きなタイマツの点火や鐘楼流し、花火大会、盆踊りと内容も盛りだくさん。ご先祖さまを弔い、親族や地域つながりを確認する山のお祭りは、懐かしさいっぱいです。

お祭りの当日13日は、午後六時になると、まず始めに、ご先祖様やなくなった霊を弔う「施餓鬼(せがき)供養」が、会場横の専用に立てられた施餓鬼棚の前で行われます。大川地区の日向にある陽明寺の住職さんがお経をあげる中、地域の方々が棚を囲んで先祖の霊に手を合わせます。

続いて、日がだんだんと暮れていく中、藁科川の河畔に立てられた大小二本の大きなタイマツに火がともされ、先ほど供養した施餓鬼棚と一緒に、根元に納められた七夕飾りが燃やされます。その明りの中を、上流側にある公民館裏手の河辺からリリースされた灯篭流しの火が流れていきます。このお祭りは、大川地区の連合自治会や地域の各種団体、企業で組織される大川夏祭り実行委員会が中心となり、様々な催し物が行われています。

会場の周囲は、食べ物や飲み物を販売する出店が囲み、中にはアマゴの塩焼きなど、地元地域ならではの味覚を楽しむこともできます。
夜8時になると、花火大会がはじまり、約80発の花火が空いっぱいに広がって、 轟音が山あいに響き渡ります。花火が終わると、ヤグラの周りに円ができ恒例の盆踊りがスタートです。威勢のよい太鼓の音が鳴り響く中を、時間いっぱい踊りの曲が繰り返されて、祭りを盛り上げます。老若男女が輪になって、誰でも踊りに加わることができます。