日本一の清流に選ばれた安倍川の支流

 藁科川は、静岡県静岡市葵区の西部の七ツ峰(標高1,533m)に源を発し、八幡で支川・黒俣川をあわせ、新間、羽鳥地区を抜け、静岡市葵区山崎にて本川・安倍川と合流し駿河湾に注ぐ、流路延長29.2kmの一級河川です。

流域面積は176㎢で、流域人口は約3万人(平成21年9月現在30,416人)。水質も良好で昭和61(1986)年には、当時の建設省が実施した水質調査で、全国で最もきれいな川に選出されました。

流域の中央部には、藁科川沿いに、かつて藁科街道と呼ばれた国道362号線が川根方面に向けて通じ、深い山あいの源流部には「福養の滝」や「湯ノ島温泉」といった観光名所、上流部の集落には、日向・清沢地区のお神楽や平家の落人伝説といった伝統芸能や数多くの民話が残っています。

また中流部には、シーズンなるとアユを狙う釣り人や川遊びする家族連れで河原はにぎわい、下流部には枕草子で歌われた「木枯らしの森」や大伽藍の往時をしのぶ「建穂寺」など、流域全体として自然環境や歴史・文化的遺産に恵まれている河川です。

はじめての川遊び

藁科川は、川のそばへと降りていける場所が多く、比較的流れもゆるやかで水深も浅いことから川遊びには絶好のフィールドです。ここ奥藁科地区でも、夏になると鮎を釣る人に加え、バーベキューや川遊びをする家族連れで賑わいます。河原に出て、水に触れるだけでも自然を満喫することはできますが、そこに網が一本あるだけで、水辺の生きものと触れ合える機会が一気に増えます。ここでは小さい子から水辺の生き物たちを捕まえることができる、タモ網の基本的な使い方を紹介します。捕まえた生き物たちは観察したら逃がしてあげることを基本に、安全には十分注意して、川遊びを楽しみましょう。

①網を用意する

魚や水生昆虫を捕まえることができる網を用意しましょう。網は釣具屋さんやホームセンターなどに置いてあります。ただあまり安いものだと、すぐに穴が開いてしまったり破けてしまって、ワンシーズンともたないので、続けて使うのであれば、少々値が張ってもしっかりしたものを買うことをお勧めします。また、底が丸いものだと、隙間から逃げ出してしまう場合があるので、網の底のところが平らの網を用意しましょう。

②構える

川に入って、網を横にふくらませ、流れの下流側の方の手に網を持ち、構えます。この時、網を動かさないようにしっかりと固定しましょう。

③追い込む

上流側の足を、固定した網から1mぐらい離れたところから水に入れて、足をダッダッダッダッと上下に踏み込みながら、網の方へ近づけていきます。この動作を2~3回繰り返して、魚を網へと追い込みましょう。

④場所を選ぶ

この方法で、川のいろんな場所で、魚とりを試してみましょう。草の陰や、よどみ、石のすき間などが狙い目です。思わぬ大物や、珍しい魚が捕まってびっくりすることも。

【参考】これまでこの方法で捕まえたことのある水生生物(藁科川流域)

ナマズ、キンブナ、ドジョウ、シマドジョウ、ウキゴリ、ヌマチチブ、テナガエビ、アユ、タカハヤ、アブラハヤ、ズナガニゴイ、カマツカ、ヨシノボリ類、アユカケ、カワムツ、オイカワ、アメリカザリガニ、サワガニ、アカハライモリ、カワゲラ類